70代妻のひとり言「夫の介護に疲れた…」その理由と解決方法3選

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70代妻のひとり言「夫の介護疲れた」

夫の介護、もう疲れた…

疲れたけど、誰にも言えない…

長年連れ添った夫の介護をしていると、ふと心の底からそうつぶやいてしまう瞬間がありませんか。
70代になれば、自分の体も思うように動かず、腰や膝の痛みを抱えながらの介助は本当に大変です。

しかも、夫婦だからこそ遠慮がなく、きつい言葉を投げられて傷つくこともある。

「私ばかり」「感謝もされない」――そんな思いに押しつぶされそうになるのは、あなただけではありません。

この記事では、介護施設看護師のあづさが70代の「夫の介護に疲れた」と感じる理由と、そこから少しでもこころと身体を軽くする方法をお伝えします。

無理をしすぎず、サービスや施設を取りいれることは逃げではなく、大切な選択肢のひとつです。

どうか一人で抱え込まず、次の一歩を見つけてください。

あづさ

わたしも看護師としてたくさんのご家族と関わってきましたが、
施設に面会にいらっしゃるご家族は、皆さん笑顔です。

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目次

「夫の介護に疲れた」と感じる3つの理由

「夫の介護に疲れた」と感じる3つの理由
「夫の介護に疲れた」と感じる3つの理由

「夫の介護に疲れた」と感じる理由は3つあります。

自分自身の老いと重なり、体力がもたない

70代になれば、誰だって体のあちこちに不調を抱えています。

膝や腰の痛み、夜中に何度も目が覚める眠りの浅さ…。
そんな状態で、夫の夜間のトイレ介助や移動サポートが重なると、体力はどんどん奪われていきます。

「もう若くはない」と自覚していても、目の前の夫を放ってはおけない

けれど、その優しさが自分を追い詰めてしまう

――そういう現実に、心が悲鳴をあげてしまうのです。

感謝がなく「当たり前」にされるむなしさ

長年連れ添った夫だからこそ、介護の場面では遠慮がありません。

「水!」「トイレ!」と短い言葉で命令されることもあれば、「ありがとう」がない日々。

妻にとっては、当たり前ではない毎日の献身。

けれど夫にとっては「妻だから当然」。その温度差が胸を冷たくし、むなしさを積み重ねていきます。

心のどこかで「一言、労ってくれれば救われるのに」と願いながらも、その言葉がないまま日々が過ぎていく…。

それが「疲れた」という気持ちをさらに強めてしまうのです。

この先が見えず「終わりがない」と思ってしまう

介護は、数日で終わるものではありません。

「この状態があと何年続くのだろう…」と先を考えるたびに、不安と恐怖に心が押しつぶされそうになります。

夫の介護と同時に、自分自身の老いとも戦わなければならない

旅行や趣味といった老後の楽しみも、介護にすべて飲み込まれてしまう気がする。

この生活に終わりはあるのだろうか?

――そう思った瞬間に、胸の奥から込み上げるのが「疲れた」ということなのです。

「夫だからこそ」抱えてしまう葛藤

「夫だからこそ」抱えてしまう葛藤
「夫だからこそ」抱えてしまう葛藤

「夫だからこそ」抱えてしまう葛藤があります。

「妻なんだからやるのが当然」という空気

70代の妻たちは、幼い頃から「男は働き、女は家庭を支えるもの」と教えられてきました。

その価値観がしみ込んでいるせいか、夫の介護をしていても「当たり前だろう」という空気がどこかに漂います。

親戚や周囲からも「妻がやるのは普通」と見られてしまい、誰も「大変でしょう」と声をかけてはくれない。

その無言の圧力が、重たい鎖のように肩にかかってくるのです

愛情と疲れの間でゆれる気持ち

長年連れ添った夫。
「ここまで一緒に来たのだから、最後まで寄り添いたい」と思う気持ちは確かにあります。

けれど同時に、「もう限界」という本音も胸に渦巻いているのです。
愛情と疲労感、その両方に引き裂かれるような毎日――

夫だから見捨てられない。でも夫だからこそ、わがままをぶつけられて苦しい

その矛盾に押しつぶされそうになりながら、妻は声にならないため息を繰り返します。

自分の人生をどこまで夫に捧げるのか

70代というのは、自分自身の残り時間を強く意識し始める年代です。

本当は旅行もしたい、友人とお茶も楽しみたい。けれど、全部あきらめて夫の介護に費やすのだろうか…

そう思った瞬間に、自分の人生が夫の影にすべて吸い込まれていくような感覚に襲われます。

私の老後は、どこにあるのだろう?」――その問いに答えが出せないまま、今日も夫の世話に追われてしまう

この“人生の時間を捧げてしまう葛藤”こそが、70代妻をいちばん苦しめるものかもしれません。

心と体を守るための工夫

心と体を守るための工夫
心と体を守るための工夫

介護に追われる毎日は、気づけば自分をすり減らしてしまいます。
でも、「もう無理」と声をあげる前に、ほんの少しだけこころと体を休ませる工夫をしてみませんか。

日常に“小さな逃げ場”をつくる

毎日24時間、介護のことばかり考えていたら、誰だって心が折れてしまいます。
だからこそ、「逃げ場」を意識的に持つことが必要です。

好きなドラマを録画しておく、短い時間でも庭に出て季節の風を感じる、数分だけ友人に電話をする…。
たとえ10分でも、“介護をしていない時間”があるだけで、心は少し軽くなるものです。

ひとりで抱え込まない勇気

介護は“家族のことだから”と、一人で背負い込んでしまう人が少なくありません。
しかし、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することで、想像以上に助けの手が差し伸べられることもあります。

「相談したら迷惑をかけるのでは…」と感じるかもしれません。
けれど、介護はあなた一人の責任ではありません。

声をあげることは、弱さではなく、むしろ大切な生活を守るための強さなのです

「地域包括支援センター」の調べ方
  • 市区町村の公式サイトで「地域包括支援センター」と検索
  • 市役所に電話して「地域包括支援センターを教えてください」と聞く
  • 役所では「高齢福祉課(介護保険課)」に問いあわせればOK
相談の流れ
  • 役所や公式サイトから最寄りの地域包括支援センターを確認
  • 地域包括支援センターへ連絡
  • ケアマネジャーと面談
  • 必要に応じて介護保険サービスの利用を調整

在宅サービスを取りいれ「距離」を保つ

介護保険のサービスを利用すれば、訪問介護やデイサービスで負担を軽くすることができます。
直接的な介助をすべて背負うのではなく、サービスを間に入れることで「物理的な距離」だけでなく「心の距離」も保てるのです。

「全部自分でやらなきゃ」という思い込みを手放すことが、心を守る第一歩です。

在宅サービスの種類

訪問介護(ホームヘルパー)
 掃除や買い物、食事づくりなど日常生活のサポートをしてくれます。
 家に人が来てくれる安心感も大きいです。

訪問看護
 医療的なケア(服薬管理、体調チェックなど)を看護師が行ってくれるので、「医療のことは任せられる」とこころ強いです。

デイサービス
 日中に義母が施設に通うことで、あなたは趣味や買い物に時間を使えます。
 夫にとってもリハビリや交流の場になるので一石二鳥。

ショートステイ
 数日〜数週間、施設に預けられるサービスです。
 「自分の体調が悪いとき」「旅行に行きたいとき」など、安心してリフレッシュできます。

施設という選択肢を前向きに考える

「夫を施設に預けるなんて…」と罪悪感を抱く妻は少なくありません。
けれど、施設にお願いすることは、愛情を手放すことではありません。

むしろ、専門のスタッフに支えられることで、あなたは妻として“介護者ではなく、伴侶”として夫と向きあえるようになるのです。

その時間こそが、夫婦にとって最後の貴重な思い出になるかもしれません。

施設にはいくつか種類があります
  • 特別養護老人ホーム(特養)
    介護度が高いひとでも、生活全般の支援を受けられます。費用も比較的抑えられるのが特徴です。
  • 介護老人保健施設(老健)
     医療ケアやリハビリが充実しており、「在宅に戻るまでの一時利用」として利用できます。
  • 有料老人ホーム
     住宅型〜介護つきのホームまで幅広くあります。
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
     まだ元気なうちから入れる住宅型の施設で、見守りや生活支援サービスを受けながら安心して暮らせます。

それぞれに特徴や費用の違いがあるので、まずは比較してみるのがおすすめです。

介護度別 施設 費用 比較
出典:ぬくもりライフナビ

「でも、具体的にどう違うの?」と思ったかたは、こちらの記事▼▼で詳しく解説しています。

介護は長いマラソンです。

完璧に走りきろうとすれば、途中で息が切れてしまいます。

だからこそ、立ち止まって水を飲み、休みながら進む――それが続けるための唯一の方法なのです。

まとめ

70代になって夫の介護を背負い続けること――。
その重さは、誰にも簡単に語れないものです。
でも「疲れた」と感じるのは、あなたが弱いからではありません

体もこころも若い頃のようには動かなくて当たり前。
だからこそ、施設やサービスを活用することは「前向きな選択」です。

一人で抱え込まずに 施設や介護サービスの選択肢 を調べてみることから始めてみてはどうでしょうか。

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今すぐ決めなくても、選択肢を持つだけで安心につながります。

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70代の今だからこそ、頼る選択を

あなたの人生は、介護だけで終わるものではありません。
どうか「自分を守るための選択」を、大切にしてください。

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この記事を書いた人

施設看護師。
現場にいる看護師目線で介護のお悩みの解決や、シニアの住まいの選び方を発信してます。

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