【50代妻の本音】夫の介護に疲れた…“生活の延長線”で限界を感じるあなたへ

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夫の介護、もう疲れた…

疲れたけど、誰にも言えない…

「夫だから、やるしかない」
そう思ってここまで続けてきたけれど、気づけば体も心も限界に近い──。

50代の妻にとっての介護は、“愛情”ではなく“生活の延長線”。
長年、家のこと・子育て・親の介護を担ってきたあとに、今度は夫の介護が始まる。

「なんで私ばっかり」「もう疲れた」
そう感じるのは、わがままでも冷たいわけでもありません。
それは、ずっと誰かのために頑張ってきた証です。

看護師として、そして同じ世代として、“自分を犠牲にしない介護”の考えかたをお伝えします。

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介護に“正解”はありません。だからこそ、誰かに頼っていいんです。
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目次

夫の介護に「疲れた」と思ってしまう理由

夫の介護に「疲れた」と思ってしまう理由
夫の介護に「疲れた」と思ってしまう理由

夫の介護に疲れる理由を説明します。そこには「夫婦での介護」の独特の理由がありました。

夫婦だからこそ遠慮がなく、言葉がきつくなる

他人なら気を使えるのに、夫にはついキツく言ってしまう──。
「なんでこんなこともできないの?」「またこぼしたの?」
そんな言葉が出てしまう自分に、あとで自己嫌悪を感じていませんか?

でもそれは、介護が“愛情”ではなく“生活”のなかで起きているからです。
長年連れ添った関係だからこそ、素の感情が出やすい。
家族介護は“気を抜けない生活の連続”です。
優しくできないのは、優しさが足りないからではなく、もう“限界まで頑張っている証拠”です。

「やって当たり前」と思われるつらさ

食事、排泄、着替え、通院──。
どれも地味で終わりのない作業なのに、「ありがとう」はほとんど言われない。
「夫だから」「妻の役目だから」と、誰にもねぎらわれない日々。
それでも、文句を言えば“冷たい”と責められる。

看護師の立場から見ても、「当たり前の介護」ほど心を削るものはありません。
感謝がなくても続けるには、気力ではなく“仕組み”が必要なんです。

自分の体も気力も、もう無理がきかない

50代になると、腰や膝、手の関節など、少しずつ体に不調が出てきます。
介護は“立ちっぱなし・中腰・夜間対応”の連続。
本来、複数人でやるべきことを、ひとりで抱えていませんか?

現場では、介護スタッフも交代制で休みを取りながら支えあうのが基本です。
あなたの家庭だけが、“休めない介護の現場”になってしまっているかもしれません。

「この先ずっと続くの?」という不安が頭をよぎる

介護は「いつ終わるかわからない」という不確定さが、一番のストレスです。
看護師の間でも、「期限の見えない介護はつらい」と言われます。
先が見えない不安のなかで、「もし自分が倒れたら?」という恐怖と戦っている方は本当に多い。

だからこそ、“続けること”よりも“続けられる形に変えること”が大切なんです。

ひとりで抱え込みすぎると、起こること

ひとりで抱え込みすぎると、起こること
ひとりで抱え込みすぎると、起こること

介護をひとりで抱え込みすぎて、疲れてますよね。このまま放置しておくと、大変なことになってしまいます。

体の不調に気づかないまま限界を超える

介護疲れは、体のサインとしてまず現れます。
腰痛、膝の痛み、不眠、食欲不振…。
「まだ大丈夫」と無理をして、気づけば動けなくなってしまう方も。

介護する側が倒れたら、支える人がいなくなります
それは“自己犠牲”ではなく、“共倒れ”。
プロの現場では、支える人の健康を守ることも“ケアの一部”とされています。

心の疲れが“無気力”や“怒り”に変わる

最初は「かわいそう」と思っていたのに、
今はもう何も感じない──そんな自分に戸惑っていませんか?
それは冷たさではなく、心の防衛反応です。

看護師の世界でも、“バーンアウト(燃え尽き症候群)”は珍しくありません。
感情を守るために、心がシャットダウンする。
それだけ、あなたは限界まで踏ん張ってきたということです。

夫婦関係が「支える側と支えられる側」だけになってしまう

介護が長くなるほど、夫婦関係のバランスは崩れやすくなります。
「妻」ではなく「介護者」になってしまう。
その瞬間から、関係の中に“愛情”ではなく“義務”が残るのです。

そんなときこそ、「自分の生活を取り戻す勇気」が必要です。

“妻だから”を手放したとき、介護は少し楽になる

“妻だから”を手放したとき、介護は少し楽になる
“妻だから”を手放したとき、介護は少し楽になる

“妻だから”という思いを手放してみませんか。介護が少し楽になります。

「私がやらなきゃ」と思い込みすぎていませんか

「妻だから、私がやらなきゃ」
「夫の面倒を見るのは当然」──
そう感じる人ほど、責任感が強く、真面目で優しい人です。

でも、介護は“夫婦の問題”ではなく、“家族全体の課題”です。
介護保険サービスや専門職は、“家庭の外にある手”として存在しています。
ひとりで抱えこむよりも、少しずつ“外の手”に頼ることで、あなたの心を壊さず、介護も続けられます

あづさ

“私がやらなきゃ”を手放すことは、怠けることではなく“続けるための工夫”なんです

「手を抜く」ではなく、「力を抜く」でいい

介護をしていると、「手を抜いたらダメ」「ちゃんとやらなきゃ」と自分を追い込みがちです。
でも、“手を抜く”と“力を抜く”はまったく違います。

手を抜く=やらないこと。力を抜く=無理をしないこと。
必要なことはきちんとしながらも、自分を犠牲にしないための“さじ加減”を持つことが大切です。

たとえば、
「今日はお風呂をパスして、清拭(体を拭く)だけにしよう」
「食事を完璧に作らなくても、レトルトでもいい」
そんな“力の抜き方”が、介護を長く続けるコツになります。

あづさ

介護は、全部を頑張ることよりも、力を抜くタイミングを見つけることが大切です。

▼力の抜いた介護をおすすめする理由は、介護は誰でもできるわけじゃないからです。くわしく解説してます▼▼

「助けを求めること」は、弱さではなく“自分を守る力”

「サービスを使うのは逃げてる気がする」
──そう感じてしまうのは、とてもよくわかります。
でも、誰かに頼ることは“弱さ”ではなく、自分を守るための力なんです。

ひとりで抱え込むと、心も体もすり減ってしまいます。
少し勇気を出して話してみるだけで、思っていたよりも周りは支えてくれるものです。
介護のプロに相談することで、「もっと楽に続けられる形」が見えてくることもあります。

あづさ

“助けを求める”のは、看護でも大切なことです。
自分を守るために必要です。

それでも、「これ以上お願いするのは悪い」「自分の手で最後まで見たい」と思ってしまう人も多いでしょう。
でも、“誰かに託す”のも立派な介護です。
一度、在宅だけでなく「施設という選択肢」を覗いてみませんか?

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たとえば、「施設に頼る」という選択もある

たとえば、「施設に頼る」という選択もある
たとえば、「施設に頼る」という選択もある

家で介護することだけが愛情ではありません。

夫の状況にあわせて介護のプロに生活を守ってもらえる施設に頼る選択もあります。

家で介護することにこだわらなくていい

施設に預けることは“逃げ”ではなく、新しい形の家族支援です。
プロの目が入ることで、介護の質が上がり、
家族は「介護者」ではなく「見守る人」として関われます。

“家で看ること=愛情”ではありません。
その人の生活を守れる場所”を選ぶことも、れっきとした愛情のかたちです。

看護師から見た「施設でこそ生活が守れる」

介護は、気力と体力だけで続けられるものではありません。
どんなに愛情があっても、限界がくるのは自然なことです。

施設では、医療・介護・生活支援がチームで行われます
夜間の見守り、服薬管理、転倒防止、入浴や食事のサポート──
それぞれを専門職が分担して支えるから、預ける側も安心して“人としての距離”をとり戻せるのです。

「施設に任せる」ことは、決して夫を見放すことではありません。
“安全に過ごしてほしい”という想いを、専門のチームに託すこと
それも、立派な“優しさのかたち”なんです。

夫も自分もお互いに安全に暮らす

長い年月をともに歩んできたからこそ、介護の現実に「こんなはずじゃなかった」と戸惑うのは当然です。
でも、“夫婦の幸せ”は、いつも同じ形でなくてもいい。

たとえば、今までのように24時間そばにいられなくても、施設で安心して過ごしてくれている姿を見られるだけで、
心がふっと軽くなる人も多いのです。

介護を“手放す”のではなく、関わり方・支え方を変える

そうしてできた時間や心の余裕が、これからの夫婦がお互いの「穏やかな時間」を取り戻すきっかけになります。

「距離を取ること」は“冷たさ”ではありません。
お互いを大切にするための、新しい形です。

「施設」と聞くと、まだ抵抗があるかもしれません。
でも実際は、“夫婦ともにそれぞれが安全に過ごすための選択” として利用する人が増えています。

施設にはいくつか種類があります
  • 特別養護老人ホーム(特養)
    介護度が高いひとでも、生活全般の支援を受けられます。費用も比較的抑えられるのが特徴です。
  • 介護老人保健施設(老健)
     医療ケアやリハビリが充実しており、「在宅に戻るまでの一時利用」として利用できます。
  • 有料老人ホーム
     住宅型〜介護つきのホームまで幅広くあります。
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
     比較的廉価な住宅型の施設がおおく、見守りや生活支援サービスを受けながら安心して暮らせます。

それぞれに特徴や費用の違いがあるので、まずは比較してみるのがおすすめです。

介護度別 施設 費用 比較
出典:ぬくもりライフナビ

「でも、具体的にどう違うの?」と思ったかたは、こちらの記事▼▼で詳しく解説しています。

まとめ──「できない自分」ではなく、「よく頑張ってきた私」へ

夫の介護に疲れたとき、
「私が悪い」と責める必要はありません。
あなたはずっと、家族のために、生活を回し続けてきた。
それだけで、もう十分すぎるほど頑張っています。

“頼ること”は、諦めではなく、これからの希望です。
どうか、自分の人生も大切にしてあげてください。

介護を「少し楽にする選択肢」を知ることも、あなた自身を守る大切な一歩です。

今の状況を整理したい方は、専門スタッフに無料で相談もできる老人ホーム検索サイトで情報を集めてみませんか。

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この記事を書いた人

施設看護師。
現場にいる看護師目線で介護のお悩みの解決や、シニアの住まいの選び方を発信してます。

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